レポート
- 東京近郊で日帰りで”温泉”があるコースということで計画を立て、一番の候補に上がったこの小金沢林道。5百円札(今は亡き)の富士山の絵柄がここの林道より入った大菩薩峠からの眺望である事を、走行途中で休みを取った時に地元の人から聞いて知ったことでした。
コースは真木温泉に車を止め、そこから国道20号線に下りて大月市を抜け、県道大月小金沢線(現在国道139号線)を小金沢まで舗装路20kmほど走り、ここより林道に入って真木温泉までの一周コース大凡6時間をかけて走り抜くというものでした。 が・・・・ ここで大きな計画ミス!
- コースの平均速度の設定が甘く、小金沢に着いたのが12時をまわってしまった。この道が意外と登り勾配があって、これが誤算の元。これから先、4時まで真木温泉に到着の予定を6時に変更・・・
- さて、いよいよ林道走行になって、自然の中を走ることの楽しさを実感しつつ、ひたすらペダルを回す。聞こえてくるのは、渓流のせせらぎ。鳥の声。たまにすれ違うのは、オフロードバイク。お互い手を挙げて挨拶する。オートバイと自転車と乗るものは違っても、仲間意識がわいてくるのはこの大自然の中ゆえの事だろう。
少し走った所の景色の良いところを選んで、お昼。少し休んだところで、時間が気になってそそくさと走り出す。
- ガレ場あり、崖あり、大自然を満喫しながら走る。 コースも下る部分も多くなって、ピークを過ぎたのだろう、後は下って真木に着くばかりと思いきや、突然道が無くなってるではないか・・・ 2・3日前の大雨で林道が寸断されているのである。アチャー・・・ しばし呆然とする。
ここの少し手前に、分岐点があって工事用車両のための案内看板があったのを思い出す。その看板によれば、分岐する道が県道にでられる旨が標されていて、とにかく県道にでられれば良いとばかりに登り勾配を、ひたすら漕ぐ。さっきの楽しい走りとはやや気分が違ってる・・・ 脳裏に不安を抱えての走りだ。 しかし行けども行けども、登りは続いてピークに到達する気配はない。
周りには、冬の残り雪が至る所にあって、5時を過ぎて日は西の山に落ちかけて、おまけに食料もなにもない。背筋に寒気が走った・・・ ヤバイ 「遭難」(ちょっとオーバー)するのか・・・ っとその時は思った。
- 山で迷ったときの鉄則として、「来た道を帰る」というのがあるが、今がその決断の時なのはすぐに分かった。 日が落ちて暗闇になる前に県道にでられるかが問題。
まぁ、帰りは殆ど下りな訳だから、その点は楽だ。がんがん飛ばした。漕ぐことで脚は使っていないが、下って行く寒さで脚が攣りそうになる・・・ 無事県道の小金沢渓流釣り場に着いたのが、午後6時。もう日はとっぷりと落ちて、あたりは真っ暗。良かったぁ・・・ 何とか帰れそうだ。まずは一安心したのである。
- しかしながら、その県道から、大月経由真木温泉までがこれまた結構な距離で、おまけに国道20号線から真木温泉までの道が山の中だから真っ暗・・・ 確か1本道だったはず・・・ 細々と照らすバッテリーライトの光だけをたよりに、何とか真木温泉に到着したのは、午後8時過ぎ。あぁ、温泉浸かってのんびりどころじゃなかった・・・
でも、すごく楽しく良い想い出になった・・・
教訓
- コースの平均速度の設定の時、登り勾配や地図より実際カーブなどによる距離の誤差をしっかり把握する事。
- 林道が大雨によって寸断されていたり、無くなっていたり、大自然の雄大さを感じさせられた。
※ 残念ながら、現在この林道は既に舗装されています。自然のままの林道が少なくなって寂しい限りです。 |
|

国道139号にて

林道入り口のダンプ道

オフロードバイカー

休息

日も落ちた小金沢(ストロボ撮影) |